第十回 タブーに踏み込む知性

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概要

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真摯な問いかけにこそ必要な、明晰な論理や表現の仕掛け。
第十回 タブーに踏み込む知性

●講座名 【小説新人賞を獲る!超実戦アプローチ】第十回 タブーに踏み込む知性【課題図書:『正欲』朝井リョウ(新潮文庫)】
●収録時間 約80分 ※サンプルは約3分半
●料金 税別3500円(税込3850円) ※資料代(A4×6枚)
●販売期間 販売終了日未定(※各講座には公開期間が設定され、順次、配信されます)

書く技術の向上に不可欠なのは、優れた作品を分析的に読み、「テクニックやテーマの深め方」を学びとること。古今東西の名作や話題作を具体的に読み解きながら、その応用のコツまで伝授します。長らく新人作家の発掘と育成に携わった名編集者の手引きで、最終選考に残る小説へと自作を磨き上げましょう。

〇内容紹介

現代を生きる若者たちのリアルな姿を描き続けてきた作家・朝井リョウさん。柴田錬三郎賞などを受賞した『正欲』では、多様性が叫ばれる時代にあっても、自らの欲望に悩み、深い孤独と生きづらさを抱える人々を見事に描いています。欲望の正邪という倫理、タブーの問題も絡む非常に難しいテーマに、作家はどのように踏み込んでいるのでしょうか。小説というかたちで社会的な問題を取り上げる場合、書き手が心すべきは、感情的に正義や救済を掲げ、安易な共感へと誘導するのでなく、自らと読者に真摯な問いを投げかけること。そこには明晰な知性の働きが求められます。いまだ日本では十分に理解されていない多様性の問題を、どのように小説のテーマとして深め、可視化してゆくか。生身の人間がもつ論理では割り切れない部分を描くために、しっかりと意図をもって作品世界を構築するのです。謎めいた文書から始まる巧みな構成、複数の視点人物とそれぞれのキャラ造形、人物配置とそのダイナミズム、テーマを仄めかす文章表現の工夫など、学ぶべきポイントが非常に多い作品です。衝撃を孕んだ小説世界だけでなく、その創作姿勢や技法にも注目しましょう。

ミニコーナー【小説を書くための地肩を作る本】では、人の世の悪を立体的に捉えるのに役立つ、キリスト教関連の三冊をご紹介します。プロット作成に活用できる「七つの大罪」を理解し、現代における狂信などについて考えるヒントにもなるでしょう。【語るための技術をマスターしよう】では、「ソフィストの会話術」として、詭弁的な会話の技法を4種類ご紹介します。小説の会話は面白くなくてはなりません!

※毎回、コラム的なミニコーナーを2本ご用意しています。【小説を書くための地肩を作る本】は創作のための基礎体力を養い、レファレンスを豊かにする読書ガイド、【語るための技術をマスターしよう】では、小説を書く上で理解し、身につけておきたい用語・用法を解説します。

※より入門的なコースとして、12回の連続講座でエンタメ小説の「決まりごと」をお伝えする「小説新人賞に挑む! 全技法徹底分析」もご用意しています。補完的な内容ですので、ご興味があればあわせてご視聴ください。

〇各講紹介 配信リスト一覧https://bit.ly/3w1Ia54

第一回 繰り返しながらテーマを転がす
課題図書『ハツカネズミと人間』スタインベック/著、大浦暁生/訳(新潮文庫)
第二回 ジレンマは進化する
課題図書『沈黙』遠藤周作(新潮文庫)
第三回 「七つの大罪」から発想する
課題図書『蒲生邸事件』宮部みゆき(文春文庫)
第四回 インテリジェンス小説の勘所
「情報」の扱いに長けたインテリジェンス小説からの学びは汎用性高し!
現代日本社会を描く際に、ジャンル不問で応用できる「6つの法則」を紹介します。

課題図書『裂けた明日』佐々木譲(新潮社)
※本サイトで講師との創作をめぐる対談も無料視聴いただけます。

第五回 時代小説として「昭和」を描く
課題図書 『罪の轍』奥田英朗(新潮文庫) ※2022年12月文庫化
※参考図書として本田靖春『誘拐』(ちくま文庫)、『望みは何と訊かれたら』小池真理子(新潮文庫)などもご一読いただくと理解が深まります。
第六回 語り部のいる物語
課題図書 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著、松永美穂/訳(新潮文庫)
第七回 テーマを可視化する
課題図書 『サクリファイス』近藤史恵(新潮文庫)
第八回 時制(テンス)を操る
課題図書 『チルドレン』伊坂幸太郎(講談社文庫)
第九回 小説か、ノンフィクションか
課題図書 『檀』沢木耕太郎(新潮文庫)
第十回 タブーに踏み込む知性
課題図書 『正欲』朝井リョウ(新潮文庫) 2023年5月文庫化
第十一回 換骨奪胎には目的あり
課題図書 『抱擁/この世でいちばん冴えたやりかた』辻原登(小学館文庫)/『抱擁』辻原登(新潮社)*電子書籍
第十二回 追う者と追われる者の物語
課題図書 『仇討検校』乾緑郎(新潮文庫)

※山本周五郎賞・直木賞を受賞した永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)ほか、新旧の関連作品を幅広く取上げます。

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