新潮社が運営するオンライン教養講座
11月28日(木)に甲谷允人講師がオンラインイベント「毎日ことばplus ことば茶話」にゲスト出演します!
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概要新潮社名作デザイン列伝、いよいよ1970年代~平成へ。感動的カメラワークとともにお楽しみ下さい!
●新潮社の装幀の歴史Ⅱ(1970年代~平成へ)――新潮社名作デザインの歴史〈第3回〉●講師:髙橋千裕(造形作家/新潮社装幀室・元室長) 聞き手:森重良太(新潮社編集者)●収録時間 約70分●料金 税別2800円(税込3080円)※資料「新潮社の装幀の歴史(第2回)」(A4×4ページ)込み●販売期間 受講した講義のアーカイブ動画は原則として何度でも視聴可能です(学習期間の制限なし)。販売終了日未定(※各講座には公開期間が設定され、順次、配信されます)
【資料の御案内】講義の中に登場する新潮社の本の詳しいデータ(刊行年、装幀、装画のクレジット)を掲載しています。新潮社資料室収蔵の現在では入手困難な貴重な本の数々を収載した、資料的価値の高いカタログです。※下記に資料の一部をご紹介します。
新潮社は、古くから社内に「装幀室」をもうけ、内部でデザインを製作してきました。1970年代に新潮社に入社し、装幀室で長くデザインを担当・統括してきた初代装幀室長の髙橋千裕さんを講師に、講師秘蔵の貴重本や豪華装幀本や新潮社資料室収蔵の「現物の本」をお見せしながら、新潮社の装幀の歴史をレクチャーします。
第3回となる本講義は、1970年代~平成にかけての名作の数々をディテールまでお見せしながら詳しく解説します。書物の細部まで手に取るようにとらえた、動画配信講座ならではのカメラワークにも注目です。
髙橋千裕元室長とともに、新潮社で数々のヒット作を世に出してきたベテラン編集者の森重良太が司会をつとめ、編集者視点のブックデザイン論もナビゲートします。※2022年3月5日(土)14:00~15:30新潮講座神楽坂教室での講義(満席)をアップデートした内容です。
【第3回のみどころ(レジュメより一部抜粋)】●1970年代以降の装幀の特徴や傾向とは? 1970年代頃からは書籍の発行部数も増え、より一層ビジュアル的にアピールする装幀とは何かを、コストを意識しつつ製作。画家、イラストレーターの個展などを観て作風を記憶し、テキストを解釈した装幀画を依頼。
●イラストレーターの時代イラストレーターの仕事が多くなる。画家にも同様に画像を依頼して描きおろして頂いた。
●装幀という言葉も定着してきた
●装幀の意識変化と製本所の技術と工夫――製本所の箔押し技術の粋を尽くす 『スカーレット』森瑤子訳(1992年)【装幀:佐野一彦】スター・ウォーズのポスターを手掛ける画家
●加藤製本株式会社がハイデルベルグ(ドイツの活版印刷機)を箔押しの機械に改良した 『アニマル・ロジック』山田詠美(1992年)
●1970年代以降の装幀の名作――書店での華やかさやデザイン性も意識『アマノン国往還記』倉橋由美子【装画:ヴンダーリッヒ】(1986年)『破れた繭』開高健【装画:フンデルトヴァッサー】(1989年)『ひざまずいて足をお舐め』山田詠美(1988年)型押し浮き出し模様『孔子』井上靖【装画:下保昭】(1989年)題字は井上靖先生ご自身の字『レベル7』宮部みゆき【装画:マーク・コスタビ】(1990年)『カンガルー・ノート』安部公房【カバー写真:著者】(1991年)初のデジタル入稿。Apple Macintoshを導入
●村上春樹さんとの仕事の数々『ねじまき鳥クロニクル』村上春樹(1994年)バリの墨絵、PPを採用した透けるカバー『偉大なるデスリフ』C.D.B.ブライアン/村上春樹訳【装画:デュフィ】(1987年)『1Q84』村上春樹(2009年)3巻の「色のコーディネイト」『象の消滅―短篇選集1980-1991―』【装幀:藤掛正邦】村上春樹(2005年)アメリカンペーバック
●触感とビジュアル――手に持ったときに「いい感じじゃない?」と思わせる『清富記』水上勉 装幀に不織布を使用『ヘミングウェイ全短編』(1996年)製函所の技術『芝木好子名作選』【装画:岩崎宏】(1997年)寒冷紗貼り(夏目漱石『道草』からのインスパイア)『逃亡』帚木蓬生(1997年)カバー共刷り帯『サイレント・ガーデン』武満徹(1999年)梱包材を函に使用して独特のテクスチャを出す。表裏どちらからも開ける本。製函所の技術。『半所有者』河野多惠子 原稿用紙50枚くらいの小説だが「1冊の本にしたい」との要望を実現『秘事』河野多惠子【ルネ・ラリックのブローチをモチーフに】印刷所が開発したパール調の用紙を採用 『絵で見る十字軍物語』塩野七生【装画:ギュスターブ・ドレ】(2010年)特別なインクで本文印刷『小澤征爾さんと、音楽について話をする』小澤征爾 、村上春樹(2011年)バーコ印刷
●『絵で見る十字軍物語』本文印刷のこと本文印刷は、マットスミに耐摩剤のコンパウンドを混ぜた特別なインクを使用しました。原書の絵は小口木版の見事な刷りでした。そのニュアンスを最大限に再現するには、通常のスミではテカリが出てしまうためにマットスミ印刷しかなかった。しかしマットスミは擦れに非常に弱く、製本所での折りの段階で問題があり、本文印刷には不向きだとわかったのです。そこで印刷所に研究してもらい、擦れに強いマットインクを東洋インキ株式会社さんに調合してもらいました。
●最後に――髙橋千裕講師にとって「装幀とは」?
●「この本、いい本だな」と、どこで思わせるか
講義をお聴きになった感想や、講師への質問などございましたら、「新潮社 本の学校」運営メール送信フォームより、お気軽にお寄せ下さい。
https://tayori.com/f/kwkm
新潮社装幀室元室長髙橋千裕講師「装幀と造本の歴史」全ラインナップ
第1回 本は最高の知的嗜好品第2回 新潮社の装幀の歴史Ⅰ(戦前~昭和)第3回 新潮社の装幀の歴史Ⅱ(昭和~平成)
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新潮社で装幀、広告制作のインハウスデザイナーとして携わり、単行本、全集、文庫本2000冊余の装幀と、多くの宣伝物を手掛ける。2014年6月退職。同年11月に、42年間の仕事を振り返る展覧会として、Gallery5610(表参道)にて「装幀と塑造―髙橋千裕の仕事―」と謳い、300冊の装幀本と塑造作品30点を展示した。現在は装幀および造形作家として、1990年代より知遇を得た多くの美術家に触発されて美意識探求の活動を続けている。
※「本の学校」は (株)今井書店の登録商標です。「新潮社 本の学校」は、同社およびNPO法人本の学校の了解を得ています。 NPO法人本の学校は「知の地域づくり」をコンセプトに、市民の読書推進や図書館づくりの運動と、書店をはじめとした出版産業で働く人々の研修などを通して、本と出版の未来をより豊かにすることを目的に活動しています。
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