新潮社が運営するオンライン教養講座
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【講座詳細】・講座名:【與那覇潤氏による教養講座】「推し」でも「アンチ」でもない生き方のために…文芸評論の双璧「江藤淳と加藤典洋」に学ぶ・講師:与那覇潤(評論家) 聞き手:山内宏泰(ライター)・収録時間:約83分・収録日:2025年6月25日/新潮社にて開催されたライブ配信イベントを収録、編集したものです。・料金:税別1,800円(税込1,980円)・販売期間 受講した講義のアーカイブ動画は原則として何度でも視聴可能です(学習期間の制限なし)。販売終了日未定(※各講座には公開期間が設定され、順次、配信されます)
戦後昭和と平成のそれぞれを代表する、文芸評論家だった江藤と加藤。1999年、66歳にして自死した江藤淳は没後25年にあたる昨年、復刊や関連書の発売が相次ぎました。戦後50年だった1995年に「敗戦後論」で大論争を呼び、令和の初月(2019年5月)に病没した加藤典洋の不在を惜しむ声もまた、戦後80年目の今年に入って絶えません。
『成熟と喪失』『閉された言語空間』などで、戦後日本の現実に抱く違和感のゆえんを探り続けた江藤。『アメリカの影』での鮮烈な江藤批判でデビューし、本人とのたった一度の共演は喧嘩別れに終わりながらも、やがてその歩みを受け継ごうとした加藤。
本来なら「あり得ないこと」ばかりが続く世界で、社会や人間が根本的に壊れてしまったと感じ、現状を全否定する欲求が噴き出す現在。この人しか信じないと「推し」の言うことを鵜呑みにするか、相手がなにをやっても貶し続ける「アンチ」になるか。両極化が進む分断の時代をケアし、乗り越えるヒントを、江藤と加藤が遺した批評は教えてくれます。
講師を務めるのは今年5月に『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』(文藝春秋)を上梓した、評論家の與那覇潤氏。聞き役は「飯田橋文学会」の一員であるライターの山内宏泰氏が務め、ウェビナー形式でお届けいたします。
【こんな方におすすめです】・名前をよく聞く江藤淳と加藤典洋、または批評とは何かに興味のある方・二極化した議論ばかりが横行する、息苦しい世の中に違和感を覚える方・もはや湧きにくい「戦後80年」の実感を、文学の力で捉え直したい方
【講義内容(予定)】・文芸批評こそが「分断を乗り越える」方法である・昭和天皇を「推す」ことで、生き延びようとした江藤淳・「アンチ」との論争を克服し、成熟した加藤典洋・戦後80年、彼らからなにを受け継ぎ、なにを忘れるべきか
ほか
評論家。1979年生まれ。学者時代の専門は日本近代史。地方公立大学准教授として教鞭をとった後、双極性障害にともなう重度のうつにより退職。精神科医・斎藤環氏との共著『心を病んだらいけないの? ―うつ病社会の処方箋―』(新潮選書)で、2020年に小林秀雄賞受賞。21年、コロナ禍での歴史学界の堕落を批判し学者廃業を宣言。代表作に『中国化する日本』『知性は死なない』(ともに文春文庫)、『平成史』(文藝春秋)ほか。
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