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今こそ言論弾圧を描く季節。テーマを深めるには?抑圧から紡がれる物語には、表現行為の原点あり。
●講座名 【エンタメ小説創作講座】書く人のための”発禁”入門③言論弾圧を描く季節●収録時間 約71分●料金 税別1800円(税込1980円) ※資料代(A4×5枚)。購入済みページよりダウンロード可能。●販売期間 販売終了日未定
〇書く人のための”発禁”入門(シリーズ講座の概要)江戸時代の筆禍から戦時下の厳しい言論統制などを経て、あからさまな弾圧こそ影を潜めたものの、権威に対する忖度や自主規制、ネット空間での検閲的な相互監視も蔓延る現代日本。これから小説というメディアでの創作を志すなら、ただ現状をめぐる息苦しさを題材として取り上げるだけでなく、表現の自由そのものが侵された時代を現代の鏡として描く、そんな季節が到来しているのです。その先にはきっと、人はなぜ小説を書くのか、誰のために書くのか、という表現行為の原点につながるテーマも浮上するはずです。※本講座では幅広い言論分野での創作や出版を抑圧する事象を大きく捉えて“発禁”として扱います。
〇第3回:言論弾圧を描く季節(内容紹介)かつて太平洋戦争のさなかには「日本文学報国会」なるものが結成され、戦争遂行のために作家たちのほとんどが巻き込まれました。この時の作家間の人間関係は「疑心暗鬼」の一語で、それだけでも小説のテーマとなりそうですが、その究極は「ブラックリスト事件」でした。自由主義系の作家がどんな方法で炙り出されたか、これは首謀者側からすれば陰謀のテーマとなり、現代史のひとコマと見れば、インテリジェンス小説の恰好のネタともなるでしょう。桐野夏生さんの『日没』は、近未来と思しき日本に出現した、風紀紊乱作家の強制収容所が舞台ですが、こうした思想統制が、国家の強権発動としてよりも一種のポピュリズムから起こっている点が卓抜でした。このことからは、人は何のために、誰のために小説を書くのかという問題も浮上してきます。20世紀と21世紀を舞台とした、表現の自由をテーマとしたエンタメ作品が、これまでと全く違った方向から待たれている気がします。
<レジュメの大見出し抜粋>静かな禁書運動が起こっている/禁書ディストピアの構造/国家が本を燃やす『華氏451度』/桐野夏生が与えた『日没』ショック/何のために誰に向かって小説を書くのか/描かれるべき日本近代の検閲史/反戦ではメシが食えない国?/国家のために書く時代に何があったか/“発禁”をフレームワークにした小説を
※構成、視点と人称、人物造形、テーマの深め方などについて、論理的に理解するための【小説新人賞に挑む!全技法徹底分析】(全十二講を配信中)、古今東西の名作の数々を読み解きながら学ぶ【小説新人賞を獲る!超実戦アプローチ】(十二回分を配信中)のほか、実践問題を交えた【エンタメ小説のための文章読本】(全六章)、プロットの行き詰まりを解決する【着想を活かすフレームワーク】講座(全5回)なども佐藤講師が担当しています。補完的な内容ですので、ご興味があればあわせてご視聴ください。
▼△「小説新人賞に挑む! 全技法徹底分析(全十二講)」プレイリストはこちら▼△https://bit.ly/3GQDlC2▼△「小説新人賞を獲る! 超実戦アプローチ」(12回公開)プレイリストはこちら▼△https://bit.ly/3w1Ia54▼△「エンタメ小説のための文章読本」講座の紹介動画(YouTube)▼△https://youtu.be/xECz6xtqmh0▼△「着想を活かすフレームワーク」講座の紹介動画(YouTube)▼△https://youtu.be/KUD-lWyz1ws▼△「編集者が伝える作家の本音」講座の紹介動画(YouTube)▼△https://youtu.be/xECz6xtqmh0▼△「古典に探る、創作のヒント」講座の紹介動画(YouTube)▼△https://youtu.be/3Dl7w26uz14▼△「編集者と学ぶ「歴史・時代小説」のこれから」講座の紹介動画(YouTube)▼△https://youtu.be/Wq7vXzSqypY▼△「今、そのアイデアを冒険小説に」講座の紹介動画(YouTube)▼△https://youtu.be/wOBepmZ3zjU
【講師プロフィール】1955年生まれ。編集者。新潮社出版部長、新潮文庫部長などを歴任。「新潮ミステリー倶楽部」他三つの叢書を手がけ、「日本推理サスペンス大賞」をはじめ五つの文学新人賞を立ち上げた。佐々木譲、髙村薫、宮部みゆき等の担当として作家に伴走するとともに、エンタメ文芸を中心に新書、ノンフィクションまで幅広いジャンルを手がける。長らく小説創作講座で添削を含めた指導に取り組んできた経験を活かし、2022年9月、『あなたの小説にはたくらみがない―超実践的創作講座―』(新潮新書)を刊行。「新潮社 本の学校」でも小説技法や読解的なアプローチ、文章技術などのコースで多数の動画を配信中。2024年より「さきがけ文学賞」審査員。
【参考書】 2022年9月刊行の新書も講座のご参考となります。長らく小説創作講座で講義・実作指導をしてきた経験が活かされた一冊です。佐藤誠一郎 『あなたの小説にはたくらみがない―超実践的創作講座―』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)今こそ言論弾圧を描く季節。テーマを深めるには?抑圧から紡がれる物語には、表現行為の原点あり。
1955年生まれ。編集者。新潮社出版部長、新潮文庫部長などを歴任。「新潮ミステリー倶楽部」他三つの叢書を手がけるとともに、「日本推理サスペンス大賞」をはじめ五つの文学新人賞を立ち上げた。佐々木譲、髙村薫、宮部みゆき等の担当として作家に伴走するとともに、エンタメ文芸を中心に新書、ノンフィクションまで幅広いジャンルを手がける。長らく小説創作講座で添削を含めた指導に取り組んできた経験も活かし、2022年9月、『あなたの小説にはたくらみがない―超実践的創作講座―』(新潮新書)を刊行。
※「本の学校」は (株)今井書店の登録商標です。「新潮社 本の学校」は、同社およびNPO本の学校の了解を得ています。 NPO本の学校は「知の地域づくり」をコンセプトに、市民の読書推進や図書館づくりの運動と、書店をはじめとした出版産業で働く人々の研修などを通して、本と出版の未来をより豊かにすることを目的に活動しています。
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