第六回 語り部のいる物語【小説新人賞を獲る!超実戦アプローチ】

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概要
【プレイリスト】(https://bit.ly/3w1Ia54)で本シリーズの配信一覧が表示されます。

『朗読者』を読み解き、「語り」の手法と効果を探る。
第六回 語り部のいる物語

●講座名 【小説新人賞を獲る!超実戦アプローチ】第六回 語り部のいる物語【課題図書:『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著、松永美穂/訳(新潮文庫)】
●収録時間 約85分
●料金 税別3500円(税込3850円) ※資料代(A4×5枚)
●販売期間 販売終了日未定(※各講座には公開期間が設定され、順次、配信されます)

書く技術の向上に不可欠なのは、優れた作品を分析的に読み、「テクニックやテーマの深め方」を学びとること。古今東西の名作や話題作を具体的に読み解きながら、その応用のコツまで伝授します。長らく新人作家の発掘と育成に携わった名編集者の手引きで、最終選考に残る小説へと自作を磨き上げましょう。

〇内容紹介
第六回の課題図書は、世界的ベストセラーとなったベルンハルト・シュリンクの名作『朗読者』です。語り手となる主人公が作中で「自身の過去を振り返りながら小説に仕立てた」と創作宣言をする構造をもつ本作をベースに、物語における「語り部」の役割や効果などを探ります。理解のヒントとして提示するのは、落語や講談といった伝統的な語り芸。特徴を比較することから、「小説の語り」にアプローチします。まずは、作中で書き手が歴史観を開陳する史談小説の名手であった司馬遼太郎作品と「いわゆる神視点小説」の語りの違いを押さえましょう。続いて『銀の匙』(中勘助)に見られる回想風の語り口や、『幽霊』(北杜夫)のような自伝を装ったスタイルの小説も参照し、そこで生まれる感興が「語り」の演出に多くを負うものであることも解説します。語り手と視点人物の関係、語り手にふさわしい人物の条件なども分かりやすく整理。『朗読者』については、「語り」のほかに、ジレンマの巧みな活用、テーマと社会背景、なぜ「朗読」なのかという問題についても多角的に掘り下げます。小説内で罪を犯した人や社会的な弱者を描く際の「フィクションの掟」も、今後ますます重要になる視座です。どうぞお聴き逃しなく!
ミニコーナーのうち、【小説を書くための地肩を作る本】でご紹介するのは、西洋史学者・阿部謹也の三冊。小説の奇想の源泉はリアリズムから。学び得るのは中世ヨーロッパに関する知識だけではありません。【語るための技術をマスターしよう】では、「日記という手法」が秘める可能性について。本来はプライベートな記録のはずが、読まれることが前提になっていた日本の古典にも目配りしつつ、どのように小説に活かせるか企んでみましょう。

※毎回、コラム的なミニコーナーを2本ご用意しています。【小説を書くための地肩を作る本】は創作のための基礎体力を養い、レファレンスを豊かにする読書ガイド、【語るための技術をマスターしよう】では、小説を書く上で理解し、身につけておきたい用語・用法を解説します。
※より入門的なコースとして、12回の連続講座でエンタメ小説の「決まりごと」をお伝えする「小説新人賞に挑む! 全技法徹底分析」もご用意しています。補完的な内容ですので、ご興味があればあわせてご視聴ください。

〇各講紹介&配信リスト
第一回 繰り返しながらテーマを転がす
課題図書『ハツカネズミと人間』スタインベック/著、大浦暁生/訳(新潮文庫)
第二回 ジレンマは進化する
課題図書『沈黙』遠藤周作(新潮文庫)
第三回 「七つの大罪」から発想する
課題図書『蒲生邸事件』宮部みゆき(文春文庫)
第四回 インテリジェンス小説の勘所
「情報」の扱いに長けたインテリジェンス小説からの学びは汎用性高し!現代日本社会を描く際に、ジャンル不問で応用できる「6つの法則」を紹介します。
課題図書『裂けた明日』佐々木譲(新潮社)
※本サイトで講師との創作をめぐる対談も無料視聴いただけます。
第五回 時代小説として「昭和」を描く
課題図書 『罪の轍』奥田英朗(新潮文庫) ※2022年12月文庫化
※あわせて『誘拐』本田靖春(ちくま文庫)、『望みは何と訊かれたら』小池真理子(新潮文庫)などをお読みいただくと理解が深まります。
第六回 語り部のいる物語
課題図書 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク/著、松永美穂/訳(新潮文庫)
第七回 テーマを可視化する
課題図書 『サクリファイス』近藤史恵(新潮文庫)
第八回  時制(テンス)を操る
課題図書 『チルドレン』伊坂幸太郎(講談社文庫)
※第九回以降の講義テーマや課題図書は順次、ご案内していきます。

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